中小企業のDX

中小企業もDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進し、激しく変化する環境に対応できる体質にしましょう。
中小企業がDX化に取り組むには、今の自社の体力に応じたやり方で、発想力を駆使して成長に結び付けましょう。

参考)経済産業省 デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)
https://www.meti.go.jp/press/2018/12/20181212004/20181212004.html

時代背景

① 日本企業の生産性は米国よりも4 割低い

国際的順位も低下し、競争力がなくなっている。このままでは、国が貧乏になり給料も上がらない
(原因)● 戦略・方針があいまい
    ● コミュニケーションができていない
    ● 例外処理が多い
日本的経営の強みがグローバル化で弱さになった → 今の強みはいつまでも強みではない

② 中小企業政策の方向性

中小企業の生産性向上=成長戦略
生産性の低い企業はいらない →統廃業で集約化・中堅化
全ての企業を存続させるではなく →ゾンビ企業はいらない
税制・補助金も大幅見直し
中小企業は国の宝と守られていた状況から →流動性を高め新しい分野への移行が推奨される

③ 業界の垣根がなくなる

参入が容易になった→企業も経営者も社員もプロでないと差別化できない=生き残れない時代に
(異業種間競争が増えている理由)
①国内市場の縮小・成熟化 ②グローバル化と異質なビ ジネスモデルの流入
③模倣の容易化(アウトソーシングの普及、モジュール化、知識の「形式知」化)
④ IT の進化、⑤新たな汎用技術の登場、が挙げられる
③、④、⑤はいずれも IT 革命の進展と関連する要因である(デジタル資本主義時代へ)

④ 顧客がある日突然蒸発する

コロナで観光客相手の業種が経験したようなことが技術の発展・社会情勢の要請でも起こりうる
産業構造の変化
・例えば、EV車になればエンジン部品不要になり、膨大な下請け企業群がなくなる
顧客の顧客の存立基盤を綿密に調査・動向ウォッチしておくことが大切

なぜ中小企業のDXか

① デジタル資本主義の時代になる

(DX =デジタルトランスフォーメーション)
DXを制するものが成長企業になれ、勝ち残れる
それは中小企業でも避けられない戦略的アプローチで総合的・俯瞰的に解決する
まねではなく顧客視点で付加価値を生む思考

② 20年来の集大成としての取り組み

20数年前に全世界の大企業が一斉に取り組んだベストプラクティス化の波が再びやってきた
再構築が必要な周期とデジタルの進展が重なり今回は DX という概念になったが、マインドは共通
しかも今回は中小企業も巻き込んでしまう

③ マインドセットが重要

顧客に価値を提供する方法を根本的に変えていく
既存の作業に追われず、オーナーシップをもって取り組む
仮説検証を繰り返し、挑戦し続け、失敗することになれる

④ ただし中小企業向きの方法論で行う

今までの方法論や事例は大企業向きに書かれおり、そのまま中小企業が行っても進まない
大企業でさえ失敗率は75%(DX の精神である改革までにはならず改善にとどまっている=失敗)
今までのレガシー(負の遺産)がない分、中小企業が有利

なぜ発想法訓練か

① 全てうまくいくか行かないかは発想法次第

課題解決する際の思考方法を身に着けると何の課題に対してもうまくできるようになる
個別の課題をひとつづつ解決していっては、全部終わらないので、各自が持ち場の課題をそれぞれで解決できるようにする
ボーリングでいえばセンターピンを狙う

② まずは組織成熟度のアップ

日常の業務が軽やかに回っていないのに、改革的な戦略など考えている場合ではない
まずは成熟度レベルを3にあげることを目標に取り組む(別ページも参照)
そもそも成熟度レベルが低い状態であるのは、成長できない状態である(成長させると崩壊する)

③ マネージャ層の育成

組織成熟度をアップさせ、日常業務を軽やかに回すのはマネージャの力量にかかっている
この層を育成し、組織で業務遂行できる基盤を作るのが発想法訓練
育てる新入社員が入ってきても、まともに教えることができなければヘタレになってしまう

④ 自分事としてとらえる

他人事ではなく自分事と捉える社員が増えてこそ良い循環が作れる
モチベーションアップ、スキルアップにつながり、自立的な会社・組織・社員の実現がかなう
この状態になってからこそが、本当の意味のDXに取り掛かれる