連載第2回:哲ちゃんの徒然撮影日記
写真教室の宿題が出された。
「自宅から徒歩10分圏内で写真を撮る」という課題だ。
聞いたときは、とても簡単に思えた。
徒歩10分で行ける距離は 1kmくらい。
半径1kmの面積は、3.14平方キロメートル。
東京ドーム 67個分。
結構広い。
どこで、何を撮ろうか?
身近なところで、何を見つけられるか?
それが、この宿題のポイントだと思った。
川に行くと、水が綺麗じゃない。。
神社と公園に行くことにした。
汗が流れるとても暑い日だった。
「夏を撮ってみよう!」
暑さが感じられる夏らしい写真が撮れた、ような気がした。
写真教室の日。
撮った写真を持ち寄ってのなりきり解説。
受講生が写真から読み取ったことを話し、講師がコメントする。
やっと講師の意図が分かった。
「写真を撮りに行くぞ!」と構えて撮影するのではなく、
日常でありながら、ふと気になったもの、撮ってみたいと思ったものを
自然体で撮影すること。
何気ない写真であっても
見せたいものを見せられるように、
構図、レンズの選択、露出などを適切に決定できること。
呼吸するように自然に、いつでもどこでも、
意図したとおりの写真を撮影できるようになりなさい。
ということなのか?達人レベル?
ソフトウェア開発者としてなら、
作りたいものが提示されたときに、
何も考えることなく反射的に、どう作ればよいか、どう作るべきか
が解ることがある。
だけど写真では、
考えて、考えて、
それでも、自分の意図を明確にできているのかよく分からない。
ソフトウェア開発に費やした時間の方が圧倒的に長いから
このような差がついてしまっているのだろう。
仕事でも、プライベートでも
自分の目指すものが無ければ、何も始まらない。
何気なく自然に撮った写真が
自分の意図するところを表現できるようになったら、
無意識のうちに、自分の意志を伝えることができて、
なにもかも、全てが上手くいくようになるのかもしれない。
(次回に続く)